謎の男
町田編1-2
チーズケーキを1ピース買ってもらった。
灯りが少ない踊り場に行きふたりで半分個した。
想像以上に、味は普通だった。
まあ、この謎のイケメンと食べているからいっか。もはや味なんてどうてもよい。
わたしは、この謎の男との今夜、たった一夜を楽しみに胸を躍らせていた。
断っておくが、わたしは、何も抱かれたい願望があったわけではない。
それは二の次で、わたしは、この男が今夜私にどんな景色を見せてくれるのか、に期待をしていた。
まじまじと謎の男の顔を見るわたし。
謎の男も、わたしを見ている。
「この男、色々ヤバそうだな笑」心でささやいた。
普通の人の目ではなかったからだ。
小顔で、目はそこまで大きくないが二重、鼻も高く、唇は薄め。
ルックスで魅了されるがまま目を見つめると、癖になってしまいそうな目の光を感じる。
目だけで女をなめまわすこともできるのか。この人。
それとも、わたしが男慣れしていないからなのか。
いずれにせよ、この謎の男はわたしにとって気分を良くするアルコールのようだ。
そんな、アルコール男と会話をしながらチーズケーキをつまみにする。
軽い自己紹介が始まる。
この謎の男、エンタメ関連の職業らしい。
なるほど、やはりその業界の華やかさと、チャラさは噂では聞いていたがこの時に初めて納得がいった。
そして、わたしの話をした。